6、ホルティーセラピーく團芸療法>

 自然の緑に触れること力、健康によいことは、体験的にいわれ続けてきたこと
である。
 現代人は、さまざまなストレスに起因する悪影響から健康を損ないがちである。
緑にストレスを緩和するリラクゼーション効果があることが、近年注目されている。
視覚的、聴覚的な面からはもちろん、緑の中での空気の爽やかさなど、五感から
得られる植物の力が、人が本来持っている自然治癒力を高めるのである。


                          (参考:建設省資料・環境緑化工学)
5、野生生物の生育・生息

 緑は鳥をはじめ様々な動物を育てる場となる。緑と野生動物は、共に自然の
生態系を構成する重要な要素として深く結びついでいる。
4、防災効果

・火災延焼防止効果
 都市火災において、樹木が保有水分を放出して、熱を暖和し延焼を防ぐ
 効果がある。

・樹木による倒壊防止効果
 阪神大震災でその効果が顕著であったか、街路樹等の樹木により、倒壊
 した家屋が避難路となる道路を閉鎖することを防止する効果がある。
3、騒音の軽減

騒音は、樹林があると枝葉や地表面でおこる反射・吸収などの現象により、
音のエネルギーを減衰させる。

・吸収:樹林内を透過する過程で枝葉・幹によつて音が吸収されることで、
     展葉部全体が多穴質材料の役目をし、音のエネルギーの一部が
     孔の中で摩擦抵抗や粘着抵抗や微細な繊維状の器官の振動に
     より熱エネルギーに変換する。

・反射:樹林の持つ枝葉・幹に音があたりその面で反射することで、散乱に
     より音のエネルギーが減少する。

・地表面反射・擦過吸収:林床に音が入射し、地表や地被植生によって反射、
                吸収が生じる。
    緑地帯は、この他にも心理的効果、マスキング効果で騒音を軽減する。

・心理的効果:騒音の発生源が遮蔽されることによる心理的な効果。

・マスキング効果:騒音に決い音を覆い被せることによって騒音をかき消して
            しまう効果。葉擦れの音・鳥のさえずり等。
2、大気の浄化

汚染物質を含む気流は樹林があると図のように流れ、吸着・吸収・拡散・沈降と
いった現象により、汚染物質の量を減少させる。

・吸着:固体あるいは液体状の汚染物質が植物体の外表面に付着する。
・吸収:ガス状の汚染物質が気孔等の器官を通して植物体の組織内に入り込む。
・拡散:汚染物質が林縁で気流と共に樹冠上部に持ち上げられ、拡散希釈が有利
 に働くこと。
・沈降:気流と共に樹林中に侵入した汚染物質がそこで重力落下すること。
1、徴気象の調節

一般に樹林下の気温は樹林外に比較して日較差も年較差も小さくなる。
これは日中、樹葉や地表面からの蒸発散にともなう潜熱による熱エネルギー放出と、夜間の樹葉の水分による熱エネルギーの保持による。また樹林の緑陰効果は気温だけでなく日射、風速、湿度とも関係するため、体感温度にはさらに大きな効果が出るといわれている。
都市の緑の効果は、次のように整理することができる


<存在効果>‥緑があるだけで、いろいろな効用が期待できる。

◎環境衛生的な効果
       (微気象の調節、大気の浄化、騒音・振動軽減)
◎都市防災的な効果
       (延焼防止、爆発の緩衝、避難地・避難路…)
◎自然保全的な効果
       (野生生物の生育・生息、生物多様性の維持…)
◎心理的な効果
       (景観美化、災害等に対する安心感、郷土意識…)
◎経済的な効果
       (地域の付加価値、総体的医療費の軽減…)


<利用効果>…‥緑地を利用し、緑に接することで、その効果はさらに高まる。

◎健康への責献
       (スポーツ、レクリエーション活動)
◎文化への貰献
       (学習活動、教養文化活動、コミュニティ活動)
◎療養への貢献
       (ホルティセラピー<園芸療法>)
 樹木や樹林地は、大きくは二酸化炭素の吸収と炭素固定、大地の水循環に貢献し、やや
狭い範囲では大気の浄化、気象の緩和、騒音や振動の軽減などに貢献している。
 今、日本人の8割近くが都市的な環境に住んでいるので、特に都市の緑地に注目してみると
樹林地は都市周辺から清涼な風を都市に送りこむ風の道として、また身近に動植物が生息、
生育する場所として、自然と共生した生活環境の形成に役立っている。
公園緑地・街路樹の機能と効果